追わせて喰わせる渓流ミノー chase&bite 〜Vol.2 ミノーの機能

fu10gentaiga

2019年10月05日 23:11

前回は、渓流ミノーイングで、ルアーを追わせて喰わせるために、重要な要素の1つとしてストーキングの話をしました。
今回はミノーの機能についてです。




■補食時と威嚇時の泳ぎの違い

まずは渓魚がどのようにミノーを追うのか、考えてみましょう。

流下する水生昆虫などを補食するときは、魚は追かけていって、下流に回り込んでパクリと飲み込みます。
どちらかというと吸い込む感じです。
後ろから喰いつくことはほとんどありません。

テンカラ名手の瀬畑雄三さんは、名著「渓語り(たにがたり)」の中で、渓流魚の補食について次のように述べています。

「要するに水といっしょにエサを吸い込みながらくわえるわけだから、下流に流れていくものを上流から吸い込もうにも吸い込めないのである」
「上流から流れてくるものを下流で待ち受けて吸い込む、これが自然なかたち」
「反転しエサを追うあの行動は、あの形にならないとくわえられないのである」

これが補食時です。


では、ルアーはどうか?

ルアーはリアクションバイト、つまり威嚇によるものなので、ちょっと違います。
蛇行してルアーを追い、最終的に、やや回り込んで喰いつきます。
流れが早いところでは、回り込まず喰いつくこともあります。

特異なのは蛇行して追うところ。

直線的に追いつかず、後ろを蛇行しながら泳いでいって、最後にルアーをフッと追い越して喰いつくのです。

言葉で表現するのが難しいですが、
ある程度、余裕を持ちながら、蛇行してルアーの後ろについていき、ショアぎりぎりで急にスピードを上げて、やや回り込みながらルアーの脇腹に喰いつくのです

ルアーは同じスピードでリトリーブされているのですが、渓魚が急にスピードを上げるので、喰いつく寸前、一瞬、ルアーが止まったかのように見えます。

ショアが近づくと水深がなくなり、ルアーはだんだん上に引かれスピードが上がります。
このため魚が喰いつきにくくなります。
かといって、スピードを緩めると、アクションがスローになり魚に見切られてしまいます。

また、アクションが大振りなミノーは、動かすのにスピードが必要になり、これまた喰いつかせるのが難しくなります。

よって渓流ミノーイングにおいて、追わせて喰わせるのに最適なミノーとは、「ショアぎりぎりまで、できるだけ細かいアクションをし続けるミノー」ということになります。

私はこれを実現するために、後方重心によリテールを振って流下速度を遅くするタイプと、オフセットリップによって浮き上がりを抑えるタイプの2つを使っています。


ミノーの後方重心についての記事はこちら

オフセットリップについての記事はこちら


■ミノーの汎用性

市販ミノーでぎりぎりまでアクションさせやすいとなると、やはりDコンでしょうか。
ジャクソンの奏(かなで)もいいと思います。

私のミノーは、ショアぎりぎりまで、市販ミノーよりもかなり細かいアクションをすることができます。
ただし、後方重心と独特の専用フォルムによりこれを実現したため、アップストリームではいいのですが、ダウンになると水面から飛び出てしまうこともあります。

私はアップでの釣りが多いのでこれで問題ないのですが、やはり市販ミノーはアップもダウンも使えるよう汎用性が高くないといけないので、ここまで作り込めないのではないかと想像しています。

そもそも私がミノーの自作に踏み込んだのは、この追ってきても帰ってしまう魚に、どうにかバイトさせたい、という思いからでした。
少しずつそれが実現してきて、今はこの「追わせて喰わせる」というのが大好きです。

まるで鮫のように追ってきて、頭や背びれが水面を割るくらいまで浮き上がりながら、ガブリとミノーにバイトする。
エキサイティングでスリリング。
最高の瞬間です。

とはいえ、直前で見切られてしまうこともまだまだあります。

つまり、自作ミノーはもっと改良の余地があるということ。
今後も研究を続けていこうと思います。

動画も作ってみましたので、よろしければどうぞご覧ください。








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