2018年06月07日
ミノーのレンジ(泳層)に思う…
ミノーを作っていると、あっちを立てればこっちは立たずで、なかなか万能ルアーは存在しないのかな、と感じることがあります。
例えば、ルアーの泳ぐレンジ。
これが釣果に大きく影響を与えるのは、誰もが知っている通りです。
レンジが合っていないと魚が食い損ねたり、あるいはそもそも出てこなかったりで、ミノーイングにとっては非常に重要な要素です。
レンジを調整する要因はさまざまですが、水流や釣り人のテクニックを除いてミノー本体のみで考えれば、①重さ、②浮力、③リップが3大要因と言えると思います。(②は、ここではバルサの分量と認識してください)。
この3つの相関関係は、ミノーの自作で、私が一番迷っているところで(当たり前か?)、特に①と②の関係は難しいところです。
さまざまなレンジを探るには、ルアーを沈める必要があります。
シンカーを増やすか、バルサの分量を減らして相対的にシンカーの割合を増やすか、のいずれかになります。
バルサの分量はそのままにシンカーだけ増やしても、流れが強いと潜航せず、波にもまれてしまいます。
かといって、バルサの分量を減らすと、ミノーのきびきびした動きが失われるので、あまり減らしたくありません。
▲同じ重さのミノー。バルサの量を多くしたタイプ(上)は、流れが強いと波に流されがち
バルサの量は残しつつも、③のリップを調整することで、ミノーを潜航させることができます。
角度や形、面積を変えて潜航具合を調整できます。
ただ、リップによって潜航を生み出すには、ある程度の「助走」、つまり一定距離のリトリーブが必要になります。
フィーディングレーンが短い時など、よりバーティカルにポイントを攻めるなら、バルサを減らしてシンカーで沈む方が効果的です。
▲リップの面積を広く取った方が潜航させやすいが、引き重りが生じるというデメリットも…
ということで、3つの要素の組み合わせには、メリット、デメリットが相関関係にあり、メリットだけを集めた万能ミノーは存在しないのかもしれません。
以上はレンジの話ですが、このほかアクションであればウォブリング系なのかローリング系なのか、カラーリングであれば派手なのか、地味なのか…。
それぞれにメリデメがある以上、どれが一番いいという正解はなく、まさに作り手が「この辺で」と妥協したところが、そのミノーのコンセプトと言えるではないでしょうか。
無限の組み合わせの中からどれを選び出すか(妥協するか)。
どの変化が、どう影響を与えるのかを理解していないと、判断すらつかない。
ミノーを作るというのは、実に難しく悩ましく、そして楽しい作業でもあります。
そんな思いをめぐらせながらも、新緑の中、ゆったりとミノーイングを楽しんできました。
この時期、小型ながら元気な魚たちが相手をしてくれました。
大きな魚は釣れませんが、新緑がきれいです。よろしければご覧ください。
例えば、ルアーの泳ぐレンジ。
これが釣果に大きく影響を与えるのは、誰もが知っている通りです。
レンジが合っていないと魚が食い損ねたり、あるいはそもそも出てこなかったりで、ミノーイングにとっては非常に重要な要素です。
レンジを調整する要因はさまざまですが、水流や釣り人のテクニックを除いてミノー本体のみで考えれば、①重さ、②浮力、③リップが3大要因と言えると思います。(②は、ここではバルサの分量と認識してください)。
この3つの相関関係は、ミノーの自作で、私が一番迷っているところで(当たり前か?)、特に①と②の関係は難しいところです。
さまざまなレンジを探るには、ルアーを沈める必要があります。
シンカーを増やすか、バルサの分量を減らして相対的にシンカーの割合を増やすか、のいずれかになります。
バルサの分量はそのままにシンカーだけ増やしても、流れが強いと潜航せず、波にもまれてしまいます。
かといって、バルサの分量を減らすと、ミノーのきびきびした動きが失われるので、あまり減らしたくありません。
▲同じ重さのミノー。バルサの量を多くしたタイプ(上)は、流れが強いと波に流されがち
バルサの量は残しつつも、③のリップを調整することで、ミノーを潜航させることができます。
角度や形、面積を変えて潜航具合を調整できます。
ただ、リップによって潜航を生み出すには、ある程度の「助走」、つまり一定距離のリトリーブが必要になります。
フィーディングレーンが短い時など、よりバーティカルにポイントを攻めるなら、バルサを減らしてシンカーで沈む方が効果的です。
▲リップの面積を広く取った方が潜航させやすいが、引き重りが生じるというデメリットも…
ということで、3つの要素の組み合わせには、メリット、デメリットが相関関係にあり、メリットだけを集めた万能ミノーは存在しないのかもしれません。
以上はレンジの話ですが、このほかアクションであればウォブリング系なのかローリング系なのか、カラーリングであれば派手なのか、地味なのか…。
それぞれにメリデメがある以上、どれが一番いいという正解はなく、まさに作り手が「この辺で」と妥協したところが、そのミノーのコンセプトと言えるではないでしょうか。
無限の組み合わせの中からどれを選び出すか(妥協するか)。
どの変化が、どう影響を与えるのかを理解していないと、判断すらつかない。
ミノーを作るというのは、実に難しく悩ましく、そして楽しい作業でもあります。
そんな思いをめぐらせながらも、新緑の中、ゆったりとミノーイングを楽しんできました。
この時期、小型ながら元気な魚たちが相手をしてくれました。
大きな魚は釣れませんが、新緑がきれいです。よろしければご覧ください。
Posted by fu10gentaiga at 22:13│Comments(4)
│ルアー(その他)
この記事へのコメント
大事なボディデザインが抜けてますね。
水の流れを利用してやれば、そんなに重くなくても、ある程度のレンジを攻めることも十分可能だし、レンジキープも可能。
オフセットではない場合、リップを大きくしても限界があるし、引き抵抗が大きくなり飛距離も落ちるばかりでメリットは少ない。
沈ませるんじゃなくて、浮きにくくするようにした方が楽ですね。
水の流れを利用してやれば、そんなに重くなくても、ある程度のレンジを攻めることも十分可能だし、レンジキープも可能。
オフセットではない場合、リップを大きくしても限界があるし、引き抵抗が大きくなり飛距離も落ちるばかりでメリットは少ない。
沈ませるんじゃなくて、浮きにくくするようにした方が楽ですね。
Posted by 通りすがり at 2018年06月07日 23:29
ご指摘たいへんありがとうございます。
おっしゃる通りで、フォルムも大切な要素と考えております。
言葉が足りなかったのかもしれませんが、アップでレーンが短い場合、水流も使いにくく、ある程度の流れの中で、早めにレンジに到達し、安定させるにはミノー自体の重さも大切と思った次第です。
今のところ、そのような場所を攻められるのはオフセットしかないと感じております。
それ以外で、浮き上がりにくく良いボディデザインの特性、また、それに近い市販ルアーがありましたら、その銘柄などを、どなたかご教示いただけると幸いです。
おっしゃる通りで、フォルムも大切な要素と考えております。
言葉が足りなかったのかもしれませんが、アップでレーンが短い場合、水流も使いにくく、ある程度の流れの中で、早めにレンジに到達し、安定させるにはミノー自体の重さも大切と思った次第です。
今のところ、そのような場所を攻められるのはオフセットしかないと感じております。
それ以外で、浮き上がりにくく良いボディデザインの特性、また、それに近い市販ルアーがありましたら、その銘柄などを、どなたかご教示いただけると幸いです。
Posted by fu10gentaiga at 2018年06月08日 05:07
自分もハンドメイドミノー製作に手を出そうと思ってますが、なかなか難しそうですね…
ボディデザインによる深度ですか…
先ずは手持ちのミノーを使い込んで、そこから自分の作りたい形を絞り込んでみることにします
ボディデザインによる深度ですか…
先ずは手持ちのミノーを使い込んで、そこから自分の作りたい形を絞り込んでみることにします
Posted by おとと at 2018年06月28日 12:39
はじめまして。
そうですよね、まずは手持ちのところをじっくり使うのが早道ですよね。
今のところ、私はボディデザインでは限界があると感じています。
だからこそのヘビーシンキングミノーブームだと思うんです。
もちろん、フォルムも大切ですけど。
ハンドメイドは時間が掛かるのが難点です。
でも楽しいですよ。
ぜひ、どうぞ。
そうですよね、まずは手持ちのところをじっくり使うのが早道ですよね。
今のところ、私はボディデザインでは限界があると感じています。
だからこそのヘビーシンキングミノーブームだと思うんです。
もちろん、フォルムも大切ですけど。
ハンドメイドは時間が掛かるのが難点です。
でも楽しいですよ。
ぜひ、どうぞ。
Posted by fu10gentaiga at 2018年07月04日 06:17
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